michynoteの日記

ファイナンシャル・セラピスト。 大手証券会社で約20年間営業を経験、 別の証券会社にて調査部経験もあり。 CFP®︎認定者。 傾聴とトランスパーソナル心理学のメソッドを用いて、あなたのモヤモヤをクリアにします。

自己定義が作る「自分の世界」に気づく〜骨まで食い込んだコアビリーフを剥がしてみた(その1)

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2022年3月4〜6日、都内で行われたLPLマスターコース・ビリーフリセットの講座に参加した。講師は一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事/心理コンサルタントの大塚あやこさん(以下あやさん)、コーディネーターはLPL(ラビング・プレゼンス・リーダーシップ)講座主宰のセラピストの岡部明美さん(以下あけみちゃん)。

この講座はLPL講座の修了生が対象。自分はここで学んだ心理カウンセリングのスキルをさらに上げる目的で参加していた。

 


ここで予想外のことが起こった。

ただ振り返ると、数ヶ月前からいくつかの伏線はあって、それが一気に回収された感じだった。

 

 

 

1日目:伝わらない受け止めないコミュニケーションの謎


この講座はレクチャーよりも受講生同士のワークを中心とした実践的なものとなっていた。

ミニワークの後「15分間クライアントの話を傾聴したのち、そのビリーフを特定する」というワークをグループで行なう。自分はクライアントになった時に、コミュニケーションのあり方について考えていることを話した。

昨年秋、それこそLPL講座内での出来事だった。自分はアシスタントとして参加しており、グループセッションでのワークとして、クライアントさんとキャッチボールをしていた。

室内ということもあり、軽く手首のスナップだけで取っては投げ、を繰り返していたのだが、相手の方が「すみません、もっとしっかり受け止めてください」と言ったのだ。

言われた瞬間は「えっ?」と思ったが、取った球を一旦両手で胸元に引き込み、一呼吸置いて投げるように変えてみた。この時もテーマが「コミュニケーション」だったように思う。

実際の自分のコミュニケーションのパターンがまさにこの通りだ。

ちゃんと相手の言ったことを受け止めずにすぐ(投げ)返す。ひどい時は来た球をバットで打ち返すようなことをしている。

しばらく経って「そもそも相手に伝えようと思っていない。自分の言いたいことを言いたいように言っている(=投げたい球を投げたいように投げている。相手が取れるかは気にしない)」のに気づいた。

けれども相手が受け取れないと「わかってもらえない」が発動していた。そこにフォーカスしていくと、かなり早い段階で「相手にわかってもらう」のを「あきらめていた」感覚がある。

 


それと並行して「浅い/深い」…自分がカウンセラーあるいはセラピストとして日常の意識よりさらに深い領域を扱う時、深いところへ降りられない、ということを感じている。

さらに「さびしい」という感情や、深い意識での「(心が)痛い・傷つく」という感覚がわからない、ということを話し、傾聴してもらった。


そこへLPL主宰のあけみちゃんが、スーパーバイズ(カウンセリングに対してアドバイスすること)に入ってきた。

カウンセラー側に「『コミュニケーション』『伝わらない』『浅い・深い』って何度も出てきているのを、ちゃんと取り上げなきゃ。ただ漫然と聴いていてもだめ」とあけみちゃんは伝える。その語り口はいつもにも増して熱を帯びて聞こえ、自分はその熱さを意外に感じた。

自分としては、カウンセラーの方にちゃんと受け止めてもらえていると思っていたのだ。

 


なんでこんなにいつもよりさらに熱を帯びているのか…その理由は2日後にわかる。

 

 

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2日目:まさかこの私に「凍りつき体験」があったとは

 


2日目は受講生どおしのセッションからスタートした。

それを受けての別の受講生のリアクションから、急遽その方をクライアントとして、メイン講師であるあやさんの公開セッションが始まった。このライブ感がリアル講座の醍醐味だろう。

そこで出てきたビリーフは

「私が思ったことを言うと人が傷つく」だった。

 


ホワイトボードに書かれたその文章(ビリーフの主文)を眺めているうち

「ああ、これは自分にもあるなあ」と感じた。

ただ起こしたリアクションはその人とは真逆だった。一体何があるんだろう…

 


次はペアワークで「防衛ビリーフ(行動とその結果)」を扱うこととなった。

先ほどの「私が思ったことを言うと人が傷つく」を取り上げて探求してもらう。

ビリーフリセットには一定の型があり、それもこの講座内でさらに進化している。

 


ワークの途中で一つのイメージが浮かんだ。

現実の記憶なのか単なる心象風景なのかはわからない。でもリアルな体感はある。

場所は都内、某メーカーの社宅。2〜3歳の自分が夜遅くに目覚めて、布団から起き出し電気のついている茶の間に行こうと、ふすまに手を掛ける。

その瞬間、動けない。声も出せずに「凍りつく」

ふすまの向こうで向かい合っている父と母。何か静かに話していたかも知れない。

そこに何か得体の知れない「冷たいエネルギー」があって、入れない。

 


ポリヴェーガル理論でいう「凍りつき」とは厳密に言えば違うのだろうが、実際にトラウマ体験があった友人から聞いた体感覚に似ている。身体の中〜背骨から冷えてきて寒気が止まらず、自分ではどうすることもできなくて他の人に暖めてもらった。自分は昨年秋に同じような体験をしたが、その感覚がまたよみがえってくる。

 


まさか私が「凍りつく」なんて。

 


従来、人間の防衛反応は交感神経優位の「戦うか逃げるか」のどちらかだとされてきた。

しかしポリヴェーガル理論によれば、副交感神経による「不動化」すなわち「凍りつき」の防衛システムがあるという。

心の学びを始めて、自分はほぼ100%「戦う」タイプの人間だと思っていたし、周囲からもそう見られていた。「攻撃は最大の防御なり」を座右の銘にして、「凍りつき反応」をする人を見かけた時は「ほらほら、そんなんじゃやられちゃうよ」とハッパをかけていた。

その私がねえ…まさか凍りつくとは。

 


ワーク自体は丁寧に寄り添って進めてもらった。

後半で「このビリーフはこれからも持ち続けますか?」と問われる。

ビリーフリセットのワークは、カウンセラーとしてもクライアントとしても、そこそこの数はやってきた。が、この時は

 


いつものように、頭で「要るか要らないか」を判断できるものじゃない。

このビリーフは背骨の中まで食い込んでいるような気がした。

カウンセラー側にそう伝えて、2日目のワークを終えた。

 

 

 

                           (その2に続く)

 

 


ポリヴェーガル理論について。

適当なサイトが見つからなかったので、参考にした書籍『ポリヴェーガル理論入門』(春秋社)のリンクを貼りました。ご参考まで。

https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365540.html

 

 

 

 


岡部明美さん/LPL講座についてはこちら

http://okabeakemi.com

 

 

 

大塚あやこさん/ビリーフリセット協会についてはこちら

breset.jp 

kiyonedo.jp